最近Adobeのニュースが賑わっています。CS5の発表もありましたが、多くはAppleとやりあっているFlash関連のニュース。とうとう先日AdobeはiPhone/iPad向けのFlashから手を引き、Androidに注力することを宣言しました。業績が好調のAppleがAdobeを買収するのではという憶測も定期的に出てきています。
AdobeはFlashを共通のミドルウェア化することでWebの覇権を取りに行こうとしていますが、Flashそのものでは利益を生めません。Flashをオーサリング出来るAdobe Flash、さらにはPhotoshop, Illsutratorを買ってもらってソフトウェアで利益を上げるビジネスだと自分は認識しています。MicrosoftがOfficeの値段を下げる中、AdobeのPhotoshopはアップグレードでも48300円するそうです。まとめて購入するとMac Proが買えるぐらいの金額になります。
これだけ高いお金を払ってもらうには相応の機能が必要と考えるのが一般的です。Adobeは今回のCS5で様々な目に見える機能を実装しています。「えげつない」と評されたPatchMatchは話題になりました。
こういった新しい技術はCG技術を画像処理に応用する”Computational Photography”に分類されます。一口にComputational Photographyと言っても色々アプローチがあって、SIGGRAPHなどの有名な国際会議で活発な研究成果の発表を知ることが出来ます。Adobeは世界で最も”Computational Photography”に注力している企業の1つです。なんですが…なんでAdobeがこんなに注力するのかが自分にとって謎でした。Photoshop/Illustratorに最新の画像処理技術を組み込んでさらに魅力的にして、CS6, CS7とアップデートしてもらうのも1つの理由でしょう。でも”Computatioal Photography”は特殊なハードウェアを要求するものもあり、どんなにAdobeが頑張っても実現出来そうに無いものもあります。そこが謎でした。技術の将来性があるからといって、すぐに利益を産めないものにリソースを使いすぎなんじゃないかと。
で、教えてもらったのがフランケンカメラプロジェクトです。カメラのハードウェアとソフトウェアを切り離し、ハードウェアを共通化する。その上でソフトウェアで価値を生み出せるようにするカメラ、それがフランケンカメラです。iPhoneで沢山あるカメラアプリを想像すると、このカメラでどんな可能性が広がるか伝わりやすいかもしれません。
これがあれば、Adobeはカメラメーカーになることができます。それもレンズや撮像素子は差別化要因にならず、ソフトウェアで差別化を図る必要がある「ソフトウェアで画質が進化する次世代カメラ」です。今のカメラよりも従来のデジカメとは2世代ぐらい先を行っているでしょう。こうなればComputational Photographyに一日の長があるAdobeがカメラメーカー、携帯メーカーとは異なる軸で戦うことができます。フランケンカメラにAndroidを積んで、その上で動くUI/アプリをFlashで作れるなら現実的にAppleと戦えそうな気も少しだけしてきます。
実際Adobeぐらいの規模なら業績が悪いカメラメーカーを買収することぐらいできるでしょうから違うアプローチを取るかもしれません。カシオはソフトウェアで差別化を図っていくつもりのようなので、Adobeと波長が合うかもしれません。
以上、会社の同僚から教えてもらった話でした。
間違ってる可能性の方が高いと思いますが参考まで。



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