品質という王道を行こう – JaSST’10 Tokyo 招待講演

1月 31st, 2010 by tune Leave a reply »

NECの誉田直美さんが、自信が考える品質のあり方について語った90分のメモです。

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誉田さんが考える「王道を行く」とは本質を理解した上で、決意を持ち達成に向けて行動すること。
手段ではなく目的、手抜きではなく効率化、新たな気持も大事だけど先人の知恵に学ぶ。
品質のみを追求している訳ではないが、品質を追求すればコストも納期も改善出来ると誉田さんは考えている。

<事例1>
自社が関連する単体テスト実施状況を調査したところ、単体テストをきちんと実施しているプロジェクト(限界値とか、テストの組み合わせを考慮して普通にやる)は単体テストで手抜きをしている or 単体テストをしていないプロジェクトと比較して出荷後のバグが38%少なかった。きちんとテストを実施すれば62%も取り除けたのに(きちんと単体テストをしても38%も残るのかという見方もできるけど・・・これは私の主観)

<事例2>
オフショアの品質を改善するために、海外子会社をかなりの労力をかけて教育した。具体的には数値目標を立て、プロセス・基礎開発技術・マネジメント・日本語語学力に国内同等レベルを求めた。結果として現地管理職の認識も代わり、改善が進むようになった。(最も、事例としてあげた中国の工場は管理者が転職してしまったらしいんだけど・・・)

<事例3>
開発案件や組織力が似ている組織Aと組織Bからいろいろなデータを取ってみた。Aを100%としたとき、Bの全工数は106%程度、ただしレビューやテストは50%前後だった。1000行あたりのバグ件数はBはAの80%。全バグ数に対する上流工程までのバグ摘出率はAとBはほぼ同じ。Bのテスト項目数はAの約半分だった。

組織Bは「プロセスを改善すれば工数やバグ数は減るはず」と解釈し、そのように取り組んでいた。だからテスト工数がAより少なくなり、そのような統計結果も出た。でも市場で出たバグを見るとBの方が品質が悪かった(数は変わらなくても、Bの方が長期間にわたってバグが出続けた!)。結果としてBのほうがAより2倍以上品質が悪いという調査結果が出た。

データを分析すると組織の取り組み方の違いが現れた。Bの組織は目標の達成が主眼となってしまい、数値目標を達成したらテストを終えてしまっていた。本当はプロジェクトごとに差が出るものなのにそれがなかった。基準値順守が「形骸化」してしまった。社内のベストプラクティスを組織Aと組織Bに適用しても組織Bでは効果が得られなかった。結局組織Bはルールだから実施していた、テスト時に担当者が頭を使っていなかった。

誉田さんがまとめのスライドに載せていたのは「何のためのプロセスかを常に考える土壌作り」が必要とのこと。形だけを真似ても成果は得られない。

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目から鱗でしたね。ソフトウェアの状態をツールやメトリクスを使って見える化し、データをノウハウとして蓄え、組織として横展開できれば品質は今より良くなるはずだと思っていましたから。まさに組織Bの人間です。
プロジェクトごとに性格や条件が違うことに気づき、もっと頭を使わないと駄目ですね。自社の品質改善を考えていくに当たり、大きな宿題をもらった講演でした。

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